田川市の中学生14人が11月3日、共生社会の担い手育成を目的とした海外研修のためドイツへ出発する。これに先立ち10月31日、市役所で出発式が開かれ、参加生徒が研修への抱負を語った。
名札を市長から受け取る研修生=田川市の中学生14人、ドイツへ出発
同市は、東京2020パラリンピックの事前キャンプを受け入れたのを機に「共生社会の実現」を重点プロジェクトに掲げている。今回の研修は、その一環で企画。共生社会の先進国であるドイツで、中学生が多様性や国際感覚を養うことを目的とする。
研修生は市内在住の中学2年生から選考で選ばれ、出発までに5回の事前研修を重ねてきた。現地ではブレーメン州に滞在し、ホームステイや現地校での授業参加などを体験。このほか、ドイツ連邦青年協議会との意見交換や、障害のある人が利用するクライミング施設への訪問も予定している。
参加者を代表してあいさつした垰田寧々さんは「田川市の代表として、互いを尊重し協力し合いながら、共生社会を推進するため多くの知識を身につけたい。この研修を通して、自分から積極的に交流できる人になりたい」と意気込みを見せた。
木村衛士さんは「ホームステイや学校の授業が楽しみ。共生社会について学び、障害のある方に、より自然に気遣いができるようになりたい」と話した。
田川市経営企画課の有田匡広課長は「日本とドイツの文化の違い、障害のある人に対する街や心のバリアフリーを肌で感じてきてほしい。田川に帰ってきてから、学んだことを実践してくれることを期待している」と激励した。
研修生は帰国後、事後研修を経て12月20日、市民向けの報告会を開く予定。