台湾全土から選抜された高校生19人が現在、国際交流プログラムで直方市を訪れている。11月30日~12月14日の滞在中、大和青藍高校(直方市日吉町)の生徒らと交流し、日本の文化や食について学んでいる。
台湾の高校生を出迎えた(左から)大和青藍高校の.パクハンビョルさん、石川夢梦さん、白川愛和さん、田ノ上優希奈さん=台湾の高校生、直方市で国際交流
同プログラムは、台湾教育部の海外研修事業の一環。98人の応募者の中から面接などを経て選ばれた15歳~18歳の高校生19人が来日した。
12月14日には、直方歳時館(新町)で茶道体験を行い、台湾の生徒19人と大和青藍高校の生徒4人が参加。日本の伝統的な作法に触れ、交流を深めた。参加した台湾の張書?さんは「茶道の動作一つ一つにこだわりがあり、驚いた。調理を勉強しているので、福岡では豚骨ラーメンの作り方を学びたい」と目を輝かせた。
一方、亭主役としてお茶を振る舞った同校茶道部の田ノ上優希奈部長(2年)は「緊張したが、普段通りの作法を心がけた。台湾の皆さんが写真や動画を撮るなど、とても興味を持ってくれてうれしかった」と話し、同じく茶道部の白川愛和さん(同)も「日本の文化を伝えることができて良かった」と振り返る。
滞在中、生徒らは調理実習で豚骨ラーメンや和食弁当、明太子を使った料理などを学んだほか、水産市場の見学なども行う。
調理科顧問の塚本麻未教諭は「教員にとっても、台湾の生徒に教えることで普段とは違う伝え方を工夫するなど多くの学びがあった。本校の生徒たちも海外の同世代と接することで大きな刺激を受けたようだ」と交流の成果を話す。「手伝ってくれた生徒から『貴重な体験をさせてもらった』という言葉を聞き、彼らの成長に驚くとともに、うれしい気持ちになった」と目を細める。
同校の濱田剛校長は「これからの世代は、海外との関わりが当たり前になる。若いうちに外国に対する壁をなくし、一歩踏み出す行動力を身につけてほしい」と、今回の交流の意義を語る。
同校では、韓国やタイなどアジア各国の学校と相互交流を続けており、生徒の国際理解を深める取り組みに力を入れている。