
田川の初夏の風物詩、風治八幡宮(田川市魚町2丁目)の「川渡り神幸祭」が5月17日・18日、市内伊田地区の彦山川周辺で行われ、17万人が訪れた。
同祭は永禄年間(16世紀半ば)、伊田村に疫病が流行した際、氏神である同神社に終息を祈願したのが始まりとされ、現在に至る。「博多祇園山笠」「小倉祇園太鼓」「戸畑祇園大山笠」「鬼夜」と並び、福岡県の五大祭りの一つで、福岡県指定無形民俗文化財第1号に登録されている。
17日は、各町内から出発した11台の山笠(幟山笠)が風治八幡宮に集結。同神社を出発した2基のみこしを先頭に伊田駅周辺を練り歩いた後、彦山川湖畔に集まった。「川渡り」では、みこしと山笠が豊作や無病息災を祈願して彦山川に入り、山笠競演会が行われた。号笛を鳴らしながら山笠を前後に大きく揺らし、互いに水しぶきをかけ合う「ガブリ」が行われ、対岸の御旅所に到着した。
翌18日は、御旅所で練り歩いた後、みこしを先頭に、初日とは逆の順番で山笠が再び彦山川に入り、八幡宮に戻った。今年は山笠の若手集団「川渡り青年友志会」の30周年を記念し、みこしが御旅所から八幡宮に戻る際にも山笠競演会が行われた。
メイン会場の彦山川河原周辺から、田川伊田駅や商店街など広範囲に屋台が出店し、家族連れなどでにぎわった。
みこしを担いだ川部秀明さんは「装束を着てみこしを前にすると、肩書や年齢も関係なくなるのが祭りの魅力。来年も担ぎたい」と話していた。
川渡り青年友志会の山田大介会長は「30周年を記念して御旅所に巨大ちょうちんを展示し、2日目にも山笠競演会を行った。一日しか来られない人にも楽しんでもらえたという声を頂いた。大きな事故もなく、無事に終えられて良かった」と振り返る。
みこしをかつぐ会の杉原功一会長は「これまで自衛隊や青年会議所から担ぎ手を派遣してもらうなど連携を強化してきた。今年はこれまで以上に担ぎ手が多く、みこしに活気があった」と話す。