
田川の「平等寺(三井寺)」(田川市伊田)で現在、「風鈴祭り」が行われている。本堂横の庭に1万3000個以上の風鈴を境内に飾り付け、涼やかな音色を響かせている。
同寺は、炭坑があった当時、三井田川炭鉱で働く人々のために建立された寺院。後に京都・仁和寺を総本山とする真言宗御室派に属し、寺号を平等寺と定めたが、現在も地域では三井寺と呼ばれることが多い。
風鈴には赤・黄・青など色とりどりの短冊が結び付けられており、訪れた人々が願い事を書き込んでいる。境内ではシャボン玉も飛ばされ、風鈴と相まって幻想的な雰囲気を演出している。
風鈴が増えたきっかけについて、住職の日出智良さんは「言葉を書くのが好きで、11年前に風鈴に好きな言葉を書いてつるしていたところ、檀家さんから『私も書きたい』と願い事を書くようになったのが始まり。風鈴棚を妻とDIYで作り、参拝者に奉納してもらうことにしたところ、SNSで徐々に拡散されていった」と振り返る。今ではSNSで集まったボランティアが、台風時の復旧作業や、風鈴と風車の入れ替え作業も行うようになったという。
田川市内から訪れた親子は「近くにこんなにきれいな場所があるとは知らなかった。シャボン玉も風鈴の音も涼やかで良かった」、北九州市から愛犬と訪れた井上愛さんは「訪れるのは2回目。今年は傘があると聞いて来た。写真映えするのでうれしい」と、それぞれ話していた。
風鈴の展示は8月末まで。8月23日・24日はライトアップも予定。