
田川市立伊田小学校(田川市伊田)で7月15日、在校生や地域の人を集めて「土俵とのお別れ会」が開かれた。
1956(昭和31)年に設置された同校の土俵。翌年には初代・若乃花による土俵入りや幕内力士と小学生の稽古も行われ、2017(平成29)年に「第60回相撲大会」が行われるまで、子どもたちに親しまれてきた。相撲人口の減少と老朽化のため、取り壊されることが決まった。
お別れ会では、土俵の歴史や相撲大会の様子を写真で紹介したほか、児童代表が土俵入りのパフォーマンスを披露。地域の人による土俵の思い出話に児童が聞き入る様子も見られた。
自身も同校卒業生である田守健治さんは「小学校5年生の時の相撲大会で1回戦負けしてしまった。大人になってからは、地域の人と子どもたちと共に土俵をつないできた」、同じく卒業生の八谷春乃さんは「2017年に初めて出場して大将を務め、優勝した。男の子を泣かせてしまった」と、それぞれ思い出を振り返る。
小学5年の大宅麻友さんは「土俵がなくなるのは寂しいが、最後に歴史を知ることができて良かった」と話していた。同校の石井雄三校長は児童に対し、「皆さんは相撲大会を経験できなかったが、話をしっかり聞いて、伝統のある土俵のことを理解してくれた。土俵のことを後輩に伝え、歴史を受け継いでほしい」と語りかけた。