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遠賀猟友会の連携:高齢化進む有害鳥獣駆除を支える仕組み

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 遠賀猟友会は会員76人で活動している。中間市に加え、遠賀郡の芦屋町、水巻町、岡垣町、遠賀町が管轄範囲。芦屋町同会が行っている有害駆除活動について、会員で事務局の田口さん、奥田さん、山本さんに話を聞いた。

 有害駆除とは、国や県、地方自治体が猟師に対し許可証を与え農作物や人間の生活に影響を与える鳥獣や害獣を捕獲する活動のこと。狩猟は基本的に趣味の範囲であるのに対し、有害鳥獣駆除は国や県、役場からの依頼であるため報奨金が発生する。

 同会は、有害駆除員26人が約100カ所あるわなを共同管理している。市や町からの要請があると、会員全員に情報が入り駆除を行う。一般的に猟師は一人一人縄張りがあり、他人には教えないことが多いのに対し、遠賀猟友会では共同でわなを管理している。

 報奨金は個人が受け取るのが一般的だが、同会では会員の報奨金は個人が受け取らず、会費として会に入れ、そのお金で会を運営している。運営費は、軽自動車、倉庫、道具、わなに使う餌などの購入、猟の登録費用などに使う。

 有害駆除で全国的な課題となっているのが狩猟者・駆除員の高齢化で、新たな担い手の育成が急務となっているが、新規の狩猟は指導者やわなの手配は個人に任せられていることが多い。

 一方で、同会は新しい会員に対しては猟のやり方、道具の手配、わなにかかった後の指導、事務手続きのサポートなどを行う。また獲物が取れた後の解体についても共同の解体場を運営しており、道具の購入や光熱費などの費用も会費で賄っている。

 田口さんによると、「われわれの猟友会は、趣味の延長の狩猟というよりも、地域の困り事を解決する社会問題解決」と話す。同地域に移住したばかりの若手の山本章吾さんは「他の地域に比べて、ここは支援が手厚く、活動しやすい」と話す。

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