土鍋ご飯とみそ汁のランチを提供する「森の縁」(直方市新町1)が直方にオープンして、12月4日で1カ月がたった。
築130年以上の「券番」(芸妓の取り次ぎを行う事務所)として使われていた古民家で開業した同店。店主の立石くるみさんは「初めてこの古民家に来た時、『つらいよ』と建物の声が聞こえてきた。雨漏りしていたり、支柱がゆがんでいたり、長い年月を経て老朽化した建物の声だった。来る度にここをどうにかしたいという思いが募っていった」と振り返る。同店オープン前に同所で「こどもの居場所いろり」を運営していた辻千恵さんからの誘いと、偶然出会った建築士と古民家再生の思いが一致し、立ち上げを決意したという。
もともと岡垣でこうじを使ったカレーを提供するカフェを経営していた立石さん。「こうじを自分で育てて作る楽しさに出合い、独学で勉強した。普段から腸を整えて、体に良くないものを食べてしまった時は、排出できる体作りを心がけていくことが大事」と話す。
メニューは、選べる2種類のみそと土鍋ご飯と野菜のだしをセットにした「みそ汁ランチ」、チーズケーキのような「生発酵ケーキ」を用意するほか、「手びきコーヒー」「梅ジュース」「和紅茶」(以上500円)などのドリンクも提供する。
立石さんは「新しくてたくさん作れるものも安くて良いが、古いものの方が人の思いもこもっているし、体にも環境にも優しいということに気がつく体験を提供したい」と意気込む。
営業時間は12時~16時。営業日はインスタグラムで知らせる。