国内史上最大の炭鉱爆発事故として知られる「方城大非常」の犠牲者を追悼する「方城大非常竹灯(あか)り慰霊祭」が12月27日、三菱方城炭鉱慰霊碑(福智町伊方)周辺で開かれる。
これまでのイベントの竹明かり=福智で竹明かり慰霊祭(写真提供=方城大非常竹灯り慰霊祭実行委員会)
事故を風化させず、人々が集い、思いをはせるきっかけを作ろうと、慰霊祭実行委員会が企画した。実行委員長の高橋学実さんは、慰霊碑から300メートルほどの場所で育った。「誰よりもこの慰霊碑で遊んだと自負している。慣れ親しんだ場所を長年整備している地元の人とのつながりもあり、ここで何かイベントができないかと考えた」と話す。
当初は2026年以降の開催を考えていたが、事故を語り継ぐ人や協力者の熱意に触れ、年内の開催を決意した。竹明かりの製作や設置は「ちくほう竹活」が協力する。
当日は17時に竹明かりを点灯。17時からは方城分館(福智町伊方)の会議室で、語り部の白石文紀さんが紙芝居を上演する。白石さんの祖父は事故の犠牲者で、10年ほど前から事故が起きた日に合わせ、町内の伊方小学校で悲劇を語り継ぐ活動を続けている。
高橋さんは「『慰霊祭』と銘打ってはいるが、重く受け止めず、まずは気軽に竹明かりを楽しみに足を運んでほしい。年の瀬の忙しい時期だが、竹明かりの優しい光に癒やされてほしい」と来場を呼びかける。
開催時間は17時~20時。入場無料。