
飯塚市の県営筑豊緑地(飯塚市仁保)で整備が進められていた、障害の有無にかかわらず誰もが遊べる「インクルーシブな遊具広場」が8月31日に全面オープンし、記念式典が開かれた。
同広場は、福岡県が県営公園6カ所で進める整備事業の一つ。昨年11月から一部エリアの利用が始まっていたが、この日、全面完成を迎えた。式典には服部誠太郎福岡県知事や武井政一飯塚市長、福祉関係者、地元の親子連れらが参加し、完成を祝った。
今回新たに、寝転んで過ごせる全国初の「大屋根広場」や、車いすのまま楽しめるブランコ、トランポリンなどインクルーシブ遊具5基を含む計12基の遊具が利用可能になった。これにより、広場全体の遊具は計25基となった。介助用ベッドを備えたバリアフリートイレや駐車場も整備している。
武井市長は「このような公園ができたのは筑豊の誇り。地域の交流と絆が育まれ、誰もが安心して利用できる場となれば」と期待を寄せた。服部知事は「県営公園が多くの県民に愛される場になることを願っている」とあいさつした。
式典後の体験会では、子どもたちが早速新しい遊具へ駆け寄り、歓声を上げていた。
リンパ管腫という障害を持つ村上結莉さん(小5)は背もたれ付きのトランポリンを体験し、「景色が見えて楽しかった」と笑顔を見せた。母の珠与さんは「計画段階から駐車場を近くしてほしいなど、細かい要望を聞いてもらえた。子どもが安心して乗れる遊具ができてうれしい」と話していた。
整備に関わった「保護者の会」の牛島みき子さんは「要望を伝え、何度も協議を重ねて今日という日を迎えられ、夢のよう。みんなの力でできた公園」と喜びを語った。