サツマイモプロジェクトの実証栽培の一環として10月16日、旧田川市民体験農園(田川市猪国)で「サツマイモ収穫交流会」が開かれた。主催は田川市。
同プロジェクトは市、県、JA、市内農業者、民間企業が連携し、サツマイモの栽培から販売までを検証する公民連携の取り組み。新たな特産品の創出や「ふるさと納税」返礼品としてのブランド化を目指す。本年度は農業者が0.8ヘクタールの畑で「べにはるか」「栗かぐや」を栽培している。
当日は浦野仁市長や栽培農家などプロジェクト関係者のほか、市とフレンドリータウン協定を結ぶサッカーJ3「ギラヴァンツ北九州」、5月に同園で苗を植えた福岡県立東鷹高校総合細井生活科の2年生などが参加。同クラブのマスコット「ギラン」と市のマスコット「たがたん」も駆け付けた。参加団体の代表が「べにはるか」を掘り出した後、生徒たちも畑に入って芋を掘り、事前に収穫した芋の焼き芋を全員で試食した。
栽培農家の小山田龍二さんは「今年で3年目。試行錯誤を続け、これまでは虫食いが多かったが、今年は薬を変えてハリガネムシの被害が昨年に比べてだいぶ減った」と振り返る。3年前に同プロジェクトの発起人となった米・サツマイモ農家の川並勝次さんは「田川独特の乾燥した気候などでうまくいかない年もあったが、今年から3年間、田川の気候に合った栽培に取り組んでいる。参加者は毎年増えており、もっと増えてほしい」と話す。
芋を買い取る博多久松の松田健吾社長は「今年で3度目の収穫で、昨年より明らかに立派。味も非常においしい。全国の皆さんに楽しんでもらい、田川においしいサツマイモがあることを知ってほしい」と期待を込める。
本年度は新たに、米とサツマイモで造る焼酎を試作する。川並さんによると、田川市としての芋焼酎は今回が初めて。製造は委託し、販売の取りまとめを担う酒販店「高山本店」(田川市栄町)の高山友良さんは「瓶は日本耐酸壜工業の田川工場で作る予定で、瓶まで田川産になる。一人でも多くの地元の人に関わってもらい、焼酎に愛着を持ってほしい」と話す。2027年3月上旬に発売し、店頭や道の駅、ふるさと納税で扱う。
ギラヴァンツ北九州は食品ロス削減のため、規格外の芋をホームゲームでサポーターに販売している。北出尚大サステナビリティ部長によると、スポンサーの門司港ビールと芋ビールを開発中で、商品化後はまず試合会場で販売するという。
東鷹高校総合生活科の2年生は、授業「地域と共創する総合的な探究の時間」で同プロジェクトに取り組んでいる。杉野晴一校長によると、体験だけで終わらせず商品開発につなげる狙いで、生徒はサツマイモチップスとプリンを作り、校内で販売する予定。2年の古賀希生(のぞみ)さんは「初めての体験で最初は難しかったけれど、楽しくできた。自分たちで植えたサツマイモを収穫するのが楽しみだった。田川の特産として有名になってほしい」と笑顔を見せた。
浦野市長は「焼酎やスイーツなど、いろいろな加工品になる可能性がある。田川市のふるさと納税を支える主力商品になっていくと思う。しっかり支え、ストーリーも発信していきたい」と意気込みを見せる。